アニメが好きとか嫌いとか。
いつもの夕刻、かずとたけがやってきた。
ああ、いらっしゃい。
「蜜柑ちゃん、ちーっす。」
「着替えさせてー。」
またおデートですか、お盛んですね。つーかちったあ遠慮しろ。
「俺はおデートじゃありません、残念ながら。」
たけがぶつくさ言う。
「やっぱ彼女作らなきゃー。」
彼女って作れるのか?製造か?製造業か?
「やばい、蜜柑ちゃんが壊れた。」
「彼氏出来ないから壊れたのかね。」
「飲みまくらなきゃ彼氏出来るかもしれないのに。」
うっさいな。あんたみたいに切実に熱望してないやい。
「機嫌悪いな~。好きな人気声優の結婚でもあったの?」
声優おたくじゃないやい。
「じゃあ好きなアニメキャラに彼女が出来たとか。」
アニメ見てないやい。
「一番最近見たアニメって何?」
んー、まどか☆マギカ?
「終わってる、この人。」
「まどか☆マギカって、ピンクの髪の?」
うん。
「レリーーーズ!っていうやつ?」
そりゃカードキャプターさくらや。さくらちゃんは髪ピンクじゃないし。
「すげー、返答まで0.01秒くらいだった。」
「魔法少女が好みらしい。」
「きもっ」
…。
「いてぇ。足曲げたらかさぶた割れたー。」
着替えてたかずが喚いた。
ざまみろ、天罰じゃ。
「いやーあれは笑ったよね。かずがいきなりぶちコケたの。」
私思い出すだけで笑いがこみ上げてくるよ。
「青春!って感じで飛び出してあれだろ?ダサい。」
いきなり消えたもんねー。これがデビルバットゴーストかと思ったわー。
「…またアニメ?」
ついうっかり。
「いや、アイシールドは子供の時好きで見てたけどさー。」
「とうとうアメフトのルール解かんなかったなー。未だ解かんない。」
そこか…。
「アメフトとラグビーの違いも解かんない。」
私も解らん…。
「蜜柑ちゃんの場合、ラグビーアニメが出てきたらすぐ覚えると思うよ…」
期待して待っとく…。