女の子紹介してして
本日も夕刻元気に事務所に来た2人組。
たけが言う。
「今朝、こいつ迎えに行ったらまだ寝てたんだぜ、信じられる?」
遅刻か、減俸だな。
「ああっ!ちょっと待って」
「えっ俺も同罪?」
まー厳密にタイムカードとかないから見逃すんですが。
「いや今日、家誰もいなくてさー。ばーちゃんは従姉妹の出産に付き合っていなくて姉貴は昨日から帰ってなくて、親父は漁に出てて。」
ああ、お父さん漁師さんだったね。
「そうそう、朝はまずいないわな。その代わり夕方には出来上がってる。」
そう言いながら指先でお猪口を煽る真似をした。 酒か。
「蜜柑ちゃん、何時起き?」
だいたい5時前後かなー?
「早っ。年寄りか。なんでそんな早起き」
5時から掃除よー。うちネコいるし。ネコのトイレ掃除とか。
「猫いるんだー、いいなー」
「うちも猫欲しい。2年くらい前に死んじゃってから飼ってない」
「うちも3年くらい前に死んじゃった。親父の晩酌に付き合う賢い子だったのに」
ネコが飲むのか?!
「酒のつまみだけだよ。つまみは朝獲ってきた魚。」
そりゃ盛大に付き合うわ。ネコじゃなくても。
「どっかで拾うか貰うかしたら飼うけどなー。」
「出会いを待ってる!」
ネコも出会いか。
「お前、その前に彼女とか」
「ああああ」
「わはははは無理か」
かず、彼女出来てから変に上から目線野郎になった。
「蜜柑ちゃんの妹紹介してよ」
うちの妹、あんたらの印象は白スーツで最悪だと思う。
「えっ」
花見の時いたじゃん、うちの妹。
「嘘、どの人?」
PCの中からあの日、撮ったデジカメのデータを引っ張り出す。
この子だよ。
「なん、全然蜜柑ちゃんに似てないじゃん。」
「かわいいよね」
「いくつ?」
あんたらより、2つ上かな?
「えーめっちゃ範囲内!蜜柑ちゃんち遊びに行っていい?」
土俵入りの力士より大量に塩を巻きます。
結界とか張っちゃうかもしれん。
「ひどい」
妹とあんたが付き合うどうのよりも、あんたんちと親戚になる可能性は徹底的に潰さなきゃいけないからな。