日常

超絶トラウマ(私限定)

人間、誰しも怖いものがあるわけだけど、私の場合、業務用冷凍庫(冷蔵庫)である。

倉庫タイプで人が入れるサイズのやつね。

怖い。超絶怖い。

そこの廃墟と冷蔵庫、どっちか入れ!って言われたら、間違いなく廃墟選ぶレベル。

そこの井戸と冷凍庫、どっちか入れ!って言われたら、もちろん井戸。

 

なんでそれが怖いのか、というと自分の中で相当古い記憶になるんだけど、

3歳か4歳かそこらへんの頃、よく会う高校生のお姉さんが居た。

高校生と限定してるのは制服を着ていたからであり、どこの誰でなんという名前だったのかも知らない。

少なくともご近所さんではなかったように思う。

美人だったかどんな制服だったかも覚えてない。

もしかしたら中学生だったのかも知れない。

そのくらい曖昧な記憶。

 

お姉さんは私を見かけるとよく遊んでくれた。

そして、商店街にあるたこ焼き屋のたこ焼きをよく食べさせてくれた。

近所に天理教の教会があり、人気のないその教会の敷地内で2人でよくたこ焼きを食べた。

もちろん、私はお姉さんが大好きだった。(物欲)

 

ある日の夕方、お姉さんは私を映画に誘った。

私はワクワクしてお姉さんに付いて行った。

お金はもってなかったからお姉さんの奢りだったのだろう。

自宅の近所には場末の映画館があった。

常にポルノ映画上映が掛かっているようなおんぼろ映画館だったが、稀に普通の映画の上映が掛かっていた。

その時、上映されていたのは「ザ・ドリフターズ」の映画。

タイトルは覚えていない。

wikiで調べて見たけれど、なんという映画だったのかは解らない。

その当時、ザ・ドリフターズは大人気で年2~3本のペースで量産されている。

あらすじもなにも全く覚えてないのだが、その中で強烈に怖かったのが、巨大冷凍庫。

閉じ込められたいかりや長介さんが、冷凍されてしまってヤカンでお湯をかけて解凍されるシーン。

もちろんコメディだから、いかりや長介さんはヤカン1つで無事に解凍されて事なきを得るわけだけど、私はそこで泣き叫んだ。

怖かったのだ。

冷たく暗い冷凍庫の中に閉じ込められて脱出できない。

力の限りドアを叩き、大声を上げても誰も気づいてくれない。

そこで静かに凍っていくことしかできない。

こんな恐ろしいシチュエーション他にあるかな?

泣き叫ぶ私にお姉さんは困惑しつつ、私を連れ出すしかなかった。

 

その頃、母親がパートでヤクルトの配達をしていた。

夜、近所にあるヤクルト販売店の大型冷蔵庫から翌配達分を取り出しに行っていた。

いかりやショックの後、私はいつもその大型冷蔵庫の扉を半泣きで押さえていた。

ヤクルト配達員を始めた当初、ケースで自宅にやってきたジュース「スコール」

深緑色の瓶にぶどうの葉のようなマークがついていたと思う。

そのジュースを好きに飲んでいい(こっちの配達用に手をつけるなよの意だと思う)と言われて

ジュースバブルに私は歓喜した。

程なくして、いかりやショックを抱えてしまった私は、その頃のことを思い出すと、

冷凍庫→ドリフターズ→スコールと連結されて深緑色の瓶と恐怖がごっちゃになっている。

 

あの時のお姉さん、生きていたら50代になっているだろうか?

あの時はごめんなさい。

ネグレクト気味のぼっち幼児に優しくしてくれてありがとう。

もう映画館もたこ焼き屋もないけれど、天理教の教会は当時のまま。機会があったら見てこよう。

 

業務用冷凍庫はいまだにやっぱり怖い。

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